日本の火葬文化において最も顕著な地域差が、遺骨をどこまで拾い上げるかという「全収骨」と「一部収骨」の違いです。
東日本エリアでは、火葬後の骨をほぼすべて骨壺に収める「全収骨」が主流となっています。そのため、骨壺のサイズも7寸(直径約21cm)前後の大型サイズが標準です。一方、西日本エリアでは、喉仏や主要な部位の骨だけを拾い上げる「一部収骨」が一般的で、骨壺のサイズは4寸〜5寸(直径約12〜15cm)と小ぶりなものが選ばれます。
骨上げの作法手順としては、2名が一組となり、竹と木を組み合わせた違い箸で遺骨を挟み、足元から頭部に向かって順に骨壺へ納めていくのが伝統的な作法です。これには「あの世への橋渡し」という意味が込められています。
骨上げのクライマックスで注目される「喉仏」ですが、実は解剖学上の喉仏(甲状軟骨)は軟骨のため火葬で燃え尽きてしまいます。実際に骨壺へ大切に納められるのは、首の骨の2番目にあたる「第二頸椎(軸椎)」です。この骨が座禅を組んだ仏様の姿に見えることから、喉仏の骨として古くから尊ばれてきました。