首を触ったときにゴリッとした塊(結節)がある場合、悪性腫瘍(甲状腺がん)を懸念する人は多いでしょう。臨床現場における甲状腺のしこりの良性と悪性の見分け方は、触診だけでは不十分であり、各種検査を組み合わせて診断します。
良性腫瘍(腺腫様甲状腺腫や濾胞腺腫、のう胞など)は、一般的に表面が滑らかで柔らかく、飲み込みに合わせてよく動きます。一方、悪性腫瘍(乳頭がん、濾胞がん、未分化がんなど)は、石のように硬く、周囲の組織と癒着して動きにくく、短期間で急激に増大する傾向があります。ただし、甲状腺がんの約9割を占める乳頭がんは非常に進行が緩やかで、早期には自覚症状がほとんどありません。
医療機関で行われる検査と費用の目安は以下の通りです。
まず実施されるのが、内分泌内科での甲状腺血液検査です。採血により遊離トリヨードサイロニン(FT3)、遊離サイロキシン(FT4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の数値を測り、機能亢進や低下を判定します。あわせて抗TPO抗体や抗Tg抗体、TSH受容体抗体(TRAb)などの自己抗体を測定し、病因を特定します。
画像診断としては超音波検査が欠かせません。甲状腺超音波(エコー)検査の費用は、保険適用(3割負担)の場合でおよそ1,000円〜1,500円程度です。血液検査と初診料を合わせても、一般的な検査費用は3,000円〜6,000円前後で収まります。エコー検査は放射線被曝がなく、数ミリ単位の微小なしこりや内部構造の性状を詳細に把握できます。