妙正寺川を語る上で避けて通れないのが、中野区内の「鷺宮水位観測所」や「新井薬師周辺」における過去の氾濫・冠水リスクです。流域住民の間でも「線状降水帯が発生した際、どの地点が最も危険なのか」という疑問が常に寄せられています。
結論から言うと、近年の大規模な河川改修や調節池の整備によって、本流の水が堤防を越える「外水氾濫」の発生件数は劇的に減少しました。しかし、集中豪雨のピーク時には、鷺宮水位観測所で「氾濫危険水位(レベル4相当)」に一時到達・肉薄する事態が今なお発生しています。
特に警戒が必要なのは以下のシチュエーションです。
1. 短時間強雨による急速な増水:1時間に50ミリを超えるような集中豪雨では、雨水が一気に川へ流れ込むため、雨が降り始めてから30分〜1時間足らずで水位計が危険水域に突入します。
2. 道路冠水(内水氾濫):新井薬師駅周辺や西武新宿線沿線の低地部では、下水道の排水能力を上回る降雨により、川から水があふれる前にマンホールや側溝から水が噴き出す「内水氾濫」が発生しやすい構造になっています。
「川の水位が氾濫危険水位に達していなくても、足元の道路が冠水する」という都市型水害特有の現象には十分な注意が必要です。