元ハンマー投げ五輪金メダリストであり、スポーツ界の身体論を牽引してきた室伏広治氏が常々強調しているのが、「脱力」と「体幹部のしなり」を自在に操る身体操法だ。力めば力むほど筋肉は硬直してブレーキとなり、先端のスピードは落ちる。室伏氏が考案した様々なセルフエクササイズでも示されている通り、指先や肩から余計な力を抜き、背骨と肩甲骨を滑らかに動かす感覚こそが、投擲における飛距離の絶対的な鍵となる。
教育現場において体力測定は、学校保健安全法に規定された健康管理の一環として位置づけられている。単なる数字の優劣を競い合うためではなく、自らの発育状態を知り、生涯にわたる運動習慣の礎を築くことが制度本来の目的だ。正しい身体の操り方を学ぶことは、測定の数値を伸ばすだけでなく、怪我をしにくいしなやかな関節と骨格を育てる契機となる。