ネット速報を追う上で、多くのファンが陥りがちな誤解があります。それは、「AI評価値のパーセンテージ=人間の勝ちやすさ」ではないという点です。
将棋AIが示す勝率は、双方が1手ごとに完璧な正解(最善手)を指し続けた場合のシミュレーション結果に過ぎません。たとえAIが「先手勝率95%」と判定していても、その勝率を維持するルートが「たった1本しかなく、1手でも間違えれば即座に逆転・自玉が即詰みになる危険な綱渡り」であるケースは多々存在します。
対局者が残り数分の1分将棋に追い込まれている極限状態では、心理的な重圧が指し手に大きく影響します。相手のプレッシャーを感じ取り、あえてAI評価値がわずかに下がるものの相手にとって最も受けにくい「人間心理を突く勝負手」を繰り出すことこそがプロの真骨頂です。ABEMAの速報画面を見るときは、数字の上下だけでなく、残り持ち時間の差と玉の囲いの堅さ(詰みにくさ)を合わせて確認することが、真の戦況を見誤らないための重要なポイントとなります。