この重厚で深淵な世界観を持つ名曲ですが、その制作過程はファンの想像を大きく覆すプロフェッショナリズムによって紡ぎ出されました。作詞家の及川眠子氏が自著やトーク番組などの一次情報で明かした制作裏話は、いまや音楽業界の伝説となっています。
オファーを受けた際、映画サイドから及川氏に提示されたプロットや資料はごくわずかであり、制作途中のラッシュフィルムを早送りで確認した程度でした。監督の庵野秀明氏サイドから伝えられたオーダーは、端的に言えば「とにかく登場人物たちが死んで、そして生き返るような歌にしてほしい」という抽象的なものだったと語られています。
驚くべきことに、及川氏はこの難解なオーダーに対し、作品の予備知識を過度に詰め込むことなく、わずか2時間足らずで歌詞を書き上げました。膨大な設定に囚われるのではなく、「死と再生」「人間にとっての母の温もりと恐怖」という普遍的なテーマへと昇華させた直感力こそが、四半世紀を超えても色褪せない名曲を生み出した決定打となりました。