若手芸人にとっての登竜門であり、一夜にして人生を変える装置であるM-1グランプリ。そして、緻密な世界観と演技力が試されるキングオブコント。この二大賞レースが提示する評価軸は、エンターテインメント業界全体のトレンドを決定づけると言っても過言ではない。
漫才においては、過度なテンポ感や毒舌に頼るスタイルから、人間の業や独特の視点を切り取った高度な構成力が評価される傾向が強まっている。一方でコントは、単なる日常の切り取りを超え、映画さながらの映像美や舞台芸術に通じる奥深さを獲得しつつある。賞レースの審査基準の変化は、そのままお笑いシーンの進化の軌跡そのものだ。