最も大きな波紋を呼んだのが、後宮を統括する美貌の宦官・壬氏(ジンシ)が猫猫に渡した木製のかんざしだ。
世の女性たちが熱い視線を送る中で、壬氏が猫猫の手首を掴むようにして手渡したその行動。本人はどこか無意識の執着であったとしても、後宮の文化を知る者から見れば、それは自らの「所有権」を強く主張する求婚にも等しい行為だった。自覚のない執着と、抑えきれない独占欲。猫猫自身は「単なる身元保証の便宜」と解釈して呆れ顔を浮かべていたが、二人の認識のズレこそが、この作品が描くラブコメディとしての絶妙な味付けとなっている。