ボウリングの投球理論は時代とともに進化を続けている。日本ボウリング界の草分け的存在であり、公益社団法人日本プロボウリング協会において長年にわたりトップを走り続けるレジェンド・矢島純一プロのスタイルは、正確無比なコントロールと美しいクラシックフォームの極致だ。軸をブレさせず、一発のストライクよりも高い再現性を追求する姿勢は、初心者がまずお手本とすべき基本の教科書と言える。
一方で、世界を席巻したのがジェイソン・ベルモンテに代表される「両手投げ(ツーハンズ)」の革命だ。親指を穴に入れず、両手でボールを保持してバックスイングを取るこのスタイルは、従来の常識を覆す強力な回転量を生み出す。マイボールはもちろん、ハウスボールでも威力を発揮しやすいため、近年では若年層のボウラーがこぞって導入している。
伝統的な1本軸の美しさを誇る矢島スタイルか、圧倒的な破壊力をもたらすベルモンテスタイルのモダン理論か。両者のアプローチは異なるものの、「確実な再現性と回転効率の最大化」という本質は共通している。ボウリングの投球術は今、多様性の時代を迎えているのだ。