高校卒業後、音楽の道へと舵を切った彼は、ディスコやクラブの現場へと飛び込んだ。80年代半ばから90年代初頭にかけて、新宿や六本木を中心とする夜の街でDJとしての腕を磨く日々が始まる。当時は機材の運搬からレコードのセレクト、フロアの空気感を瞬時に読み取る選曲センスまで、すべてを現場の叩き上げで学んでいった。
TRFとして大ブレイクを果たす前の秘蔵写真には、ヘッドホンを首にかけ、真剣な眼差しでターンテーブルに向かい合う青年の姿が収められている。派手なパフォーマンスの裏には、フロアの客をいかに踊らせるかだけを愚直に追求し続けた下積み時代の孤独な努力と、並々ならぬ情熱が存在していた。