退職に際して作成する書類には「退職願」「退職届」「辞表」の3種類が存在します。名称は似通っているものの、労働契約法および民法上の位置づけは明確に分かれており、提出タイミングや撤回権の有無に大きな違いが生じます。
人事労務関係者の証言や厚生労働省の労働相談データによると、書類の性質を取り違えたことによる「退職日を巡るトラブル」や「言った言わないの水掛け論」が後を絶ちません。自身の状況に応じた正確な書類を選択する必要があります。
また、雇用保険の基本手当受給において重要となる自己都合退職と会社都合退職の違いにも配慮が必要です。自己都合退職の場合は「一身上の都合」と記載しますが、会社の倒産・解雇・著しいハラスメント等による会社都合退職の場合、書類上に「一身上の都合」と書くと後倒しで給付制限期間が課されるリスクがあります。会社都合の場合は「事業所閉鎖のため」「退職勧奨に伴い」など具体的な事由を明記することが実務上の防衛策となります。