ネット上の情報や旅行ブログには、知らず知らずのうちに信じ込まれている誤解が少なくありません。報道現場の視点から、特に拡散しやすい3つの誤解を正します。
誤解①:「10円玉と同じ角度の写真は池の正面から撮れる」
10円硬貨に刻まれている鳳凰堂は、完全な真横からの「正射図法」に近い幾何学的な図案です。しかし、阿字池の正面から対岸を眺めても、左右の翼廊が斜め前方にせり出しているため、10円玉と寸分違わぬアングルにはなりません。硬貨のデザインは実景を建築図面のように高度に意匠化したものであり、肉眼で見ると、水面に映る「逆さ鳳凰堂」の立体的な奥行きこそが真の見どころとなります。
誤解②:「鳳凰堂は最初から鮮やかな朱色だった」
平成24〜26年(2012〜2014年)にかけて行われた「平成の大改修」により、鳳凰堂は建立当時の赤褐色(丹土塗り)へと鮮やかに蘇りました。それ以前の長年親しまれていた「古びた茶褐色の落ち着いた風合い」を見慣れていた年配層からは、修復直後に「派手になりすぎたのではないか」との戸惑いの声も上がりました。しかし、科学的な顔料分析や発掘調査に基づき、平安貴族が目にした極彩色を忠実に復元したのが現在の姿です。
誤解③:「宇治駅から平等院へはどちらの路線でも同じ」
京阪宇治駅とJR宇治駅は宇治川を挟んで離れています。JR宇治駅からは宇治橋通り商店街を抜けて徒歩約10分、京阪宇治駅からは宇治橋を渡って徒歩約10分です。京都市内(京都駅)からのアクセスはJR奈良線(みやこ路快速で約17分)が圧倒的に便利ですが、祇園四条や出町柳など京都東部・北部からのアクセスは京阪電車が有利です。出発地に応じた使い分けが混雑回避の鍵となります。