素顔が完全に可視化されたことに対し、長年彼を支持してきたコアファン層と、紅白などを通じて初めて彼を知ったライト層・一般層の間では、それぞれ異なる温度感の反応が巻き起こりました。当時のSNS、5ちゃんねる、Yahoo!知恵袋などの投稿ログを精査すると、実態は大きく3つの傾向に分類されます。
第一に最も多かったのは、「2次元キャラクターの完全な実体化に対する歓喜」です。「歌い手の素顔公開は失望で終わることが多い中、まふまふは別格だった」「少女漫画からそのまま抜け出てきたようなビジュアル」といった絶賛の声がタイムラインを埋め尽くしました。とりわけ、初見の視聴者が受けたインパクトは絶大で、ネットカルチャーに対する偏見を払拭する契機となりました。
一方で、古くからのファンの一部からは「遠い存在になってしまった寂しさ」や「加工されたミステリアスな世界観が好きだった」という複雑な本音も散見されました。顔が見えないからこそ、リスナーは楽曲の主人公に自分自身や理想の偶像を投影できていた部分があります。顔という強烈な具象情報が付与されたことで、匿名性特有の神秘性が薄れたと感じる層が一定数存在したのも事実です。
さらに、アンチスレッドや一部の辛口な意見としては、「ライティングがない場所では目の下のクマや疲労感が目立つ」「メイクを落としたらすっぴんは塩顔の一般人ではないか」という現実的な指摘もありました。しかし、これらは裏を返せば「CGではなく血の通った生身の人間である証拠」であり、結果として彼の人間味を際立たせる要素として消化されていきました。