競技大会の歴代王者や熟練の愛好家への取材から浮かび上がったのは、ポイを破かずに何十匹もすくい上げる「物理法則に基づいた操作技術」です。直感に頼ったすくい方をしていると、数秒で紙が溶けてしまいます。
① 最初にポイの紙全体を水に濡らす
初心者は「紙を濡らさないように一部分だけを水につける」という行動を取りがちですが、これは完全な逆効果です。乾いた部分と濡れた部分の境界線に強烈なテンション(表面張力の偏り)がかかり、わずかな水圧でそこから裂けてしまいます。水槽に入れたら、まず水平にスッと沈めて全面を均一に濡らすのが鉄則です。
② 水面に対して斜め45度で出し入れする
ポイを水面に対して水平のまま上下に動かすと、紙の面積全体に最大の水圧がかかります。水に入れるときも、金魚を乗せて引き上げるときも、常に「斜め45度」の角度を保ち、水を切り裂くように動かすことで、紙にかかる抵抗を最小限に抑えられます。
③ 尾ひれではなく「頭」から乗せ、水面近くで水平移動させる
金魚の尾ひれは推進力を生み出すため、水中で激しく暴れます。尾ひれをポイの中央に乗せてしまうと、強力なキックで紙が一瞬で破断します。狙うべきは「金魚の進行方向の先(頭側)」です。頭からポイに乗せ、水深深くへ潜らせずに水面スレスレを平行移動させ、お椀(ボウル)を水面ギリギリまで近づけてサッと移し替えます。