ネット上のコミュニティで定期的に取り沙汰されるのが、「ライバー数が多すぎて新人や中堅が埋もれてしまうのではないか」「同期内での数字の格差が深刻なのではないか」という懸念です。しかし、現場のコラボレーション実績とプラットフォームの動向を俯瞰すると、単純な格差論では語れない実態が存在します。
実際、にじさんじの強みは「自律分散型のネットワーク」にあります。事務所が一握りの看板タレントだけをテレビ番組のように押し出すのではなく、ライバー同士が自主的に大会(「にじさんじ麻雀杯」「にじさんじ甲子園」「マリオカートにじさんじ杯」など)を企画・運営し、そこから意外なタレント同士の化学反応が生まれる設計がなされています。
たとえば、普段は同接数千人規模の配信を行うライバーが、大規模企画で卓越した実況スキルや司会進行力を発揮し、一夜にして視聴者の認知を爆発的に広げる現象が日常的に起きています。「同期関係」も一枚岩の固定概念ではなく、デビュー後に趣味やゲームのプレイスタイルが一致した他期生の先輩・後輩と強固なユニットを形成することも珍しくありません。外部の傍観者が語る「数字の序列」と、現場でライバーたちが互いに助け合う「生態系の豊かさ」との間には、確かなギャップが存在しています。