日本国内で最も比較される頻度が高いのが、パタゴニアとザ・ノース・フェイスの2大ブランドです。両者はともに街着としても爆発的な人気を誇りますが、その企業哲学とプロダクト開発の方向性には明確な分岐点が存在します。
パタゴニアの根幹にあるのは、徹底した「環境倫理」と「修理して長く使う」リペア精神です。売上の1%を環境保護団体に寄付する取り組みを草創期から続け、オーガニックコットンやリサイクルポリエステルの採用率は業界トップクラスを誇ります。派手なトレンド追従を嫌い、定番の「R1」フリースや「トレントシェル」ジャケットに見られるように、道具としての機能美と耐久性を何より重んじる傾向があります。
一方のザ・ノース・フェイスは、極地遠征用フラッグシップである「SUMMIT SERIES(サミットシリーズ)」で世界最先端の登山工学を提示しつつ、ファッションシーンにおけるコラボレーション戦略を巧みに展開してきました。「バルトロライトジャケット」や「マウンテンライトジャケット」が即完売を繰り返すなど、都市生活におけるステータスシンボルとしてのブランディングに極めて秀でています。
フィールドにおける機能面を比べると、ノースフェイスは防風性や耐摩耗性に重きを置いた剛健な作りが目立ち、パタゴニアはアクティブに動いた際の発汗処理能力や着心地の柔らかさに優れます。ストリートでのトレンド感を重視するならノースフェイス、流行に左右されず一着を10年単位で使い倒したいならパタゴニアという棲み分けが成立しています。