2026年現在、企業に対するカスタマーハラスメント防止策が義務化されつつあるものの、密室であるバス車内では依然としてドライバーが理不尽な矢面に立たされている。数分の道路渋滞に対する激しい怒声、ICカードの残高不足をめぐる揉め事、果てはブレーキの踏み方にまで難癖をつけられる。乗客からのハラスメントは日常茶飯事だ。
さらに現場を苦しめているのが、安全管理の名目で設置されたドライブレコーダーや車内監視カメラの存在だ。本来は事故防止のための装置だが、乗客からの理不尽なクレームが入るたびに「なぜ笑顔で対応しなかったのか」「言い返し方が不適切だ」と会社側から追及されるマニュアル至上主義に、多くのドライバーが人間性を否定されたような絶望感を抱いている。