赤羽業という存在は、物語の清涼剤であり最大の不安定要素だ。優等生でありながら教師を不信し、暴力事件を起こしてE組へ送られた男。彼が初登場時に見せた、殺せんせーに対する冷徹なブラフと笑みは、視聴者に強い戦慄を与えた。
この難役を任された岡本信彦は、いわゆる「狂気」や「ドS」な属性を持つキャラクターの演技において声優業界で随一の評価を得ている。声を少しだけ裏返らせる挑発的なセリフ回し、かと思えば冷徹な計算高さを覗かせる低音ボイスの切り替え。カルマが持つ二面性を、息づかいひとつで描き切る技量は圧巻だ。単に恐ろしいだけでなく、仲間や恩師に対する屈折した信頼と成長のドラマを声のトーンの変化で表現したことこそが、彼のハマリ役と言われる最大の理由だろう。