坂崎千春氏の代表作といえば、JR東日本の「Suicaのペンギン」を思い浮かべる人も多いだろう。無表情でありながら愛くるしく、どこか哀愁を帯びた独特の眼差しは、両者に共通する最大の魅力である。無駄を徹底的に削ぎ落とした洗練されたキャラクターデザインは、世界的な評価も高い。
「Suicaのペンギン」が都会的で洗練されたクールさを持つのに対し、千葉県の形を背負ったこの赤いくまのような不思議な生き物は、よりダイナミックで変化に富んだフォルムを持つ。正面顔を見たときの心理的揺らぎは、坂崎作品特有の「引き算の美学」が持つ奥深さの現れと言えるだろう。