物語の中で麒麟が登場するエピソードは、単なる妖怪退治の枠組みを超えた特別な空気をまとっていた。童守町に突如現れた怪異現象。その中心に鎮座していたのは、邪悪な妖怪ではなく、泰平の世にのみ現れるとされる最高位の霊獣・麒麟だった。
鵺野鳴介(ぬーべー)は、いつものように鬼の手を掲げて退治を試みる。しかし、相手は次元の異なる神聖な存在だ。並の妖怪なら一撃で浄化する鬼の手すら、麒麟の圧倒的な霊力と威厳の前には無力に等しかった。街を包み込む緊迫感と、霊力勝負を超えた圧倒的な格の違い。読者は息をのんでその展開を見守ったのである。