歌舞伎『曽根崎心中』の真相と見どころ|お初と徳兵衛の悲恋を徹底解剖

歌舞伎『曽根崎心中』の真相と見どころ|お初と徳兵衛の悲恋を徹底解剖

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『曽根崎心中』は、元禄16年(1703年)4月7日に大坂の堂島新地で実際に起きた心中事件がベースになっています。天満屋の遊女であった「初(はつ・当時21歳)」と、内本町醤油屋の手代「徳兵衛(当時25歳)」が、露天神社の境内で命を絶ちました。

事件当時、上方では庶民の間で心中事件への関心が非常に高まっていました。竹本座の座付作者であった近松門左衛門は、この悲劇の報を聞くやいなや猛烈な勢いで筆を執り、事件発生からわずか1か月にも満たない5月7日に人形浄瑠璃として舞台化しました。事実を骨子としながらも、悪役・九平次による裏切りなどの劇的な創作を加えることで、単なるスキャンダルを「義理と人情に引き裂かれた高潔な純愛悲劇」へと昇華させたのです。

この作品の大成功により、事件の舞台となった露天神社は親しみを込めて「お初天神」と呼ばれるようになり、現在でも縁結びや恋愛成就の聖地として多くの参拝客が訪れています。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。