首や鎖骨周辺の痛み、そして腕や小指側のしびれが生じる代表的な疾患が「胸郭出口症候群」です。この病態の中心的な原因となっているのが、まさに第一肋骨と周辺組織による絞扼(こうやく:締め付け)です。
腕神経叢が第一肋骨と斜角筋の間で圧迫されると、肩から腕、小指や薬指にかけてピリピリとしたしびれや鈍痛が走ります。さらに、鎖骨下動脈の狭窄が加わると腕への血流が阻害され、「腕を持ち上げると手が白っぽくなる」「指先が冷たく力が入らない」といった循環障害のサインが現れます。
電車のつり革をつかむ姿勢や、長時間のパソコン操作、スマートフォンの前傾姿勢などは、第一肋骨と鎖骨の間隙を狭め、神経の圧迫を急激に強めます。首や肩のこりと勘違いして強く揉みほぐすと、かえって斜角筋の炎症を悪化させ、症状を長引かせる要因にもなるため注意が必要です。