戦争報道と並び、堀川氏の真骨頂といえるテーマが「日本の司法と死刑制度」です。2009年に発表された『死刑の基準――「永山基準」はいかにして生まれたか』は、日本の量刑判断の金字塔とされる判例の成立過程を、最高裁判所の内側から克明に描き出した衝撃作でした。
死刑適用をめぐり苦悩した最高裁判事や調査官の証言、未公開記録を掘り起こし、司法判断のブラックボックスに切り込んだ取材姿勢は法曹界にも大きな衝撃を与えました。本作は第31回講談社ノンフィクション賞を受賞し、その後も『裁かれた命 死刑囚から届いた手紙』(新潮ドキュメント賞受賞)や『教誨師』など、生命と罪の境界線を問い直す骨太な作品を世に送り出し続けています。