水陸両用ショートパンツが急速に普及した背景には、日本の夏季気候の過酷化と、生活者の「衣類に対する機能主義的アプローチ」の定着があります。気象庁の観測データが示す通り、35度を超える猛暑日や突然のゲリラ豪雨が日常化する中、従来のコットン製ショートパンツでは汗のベタつきや乾きにくさが大きなストレスとなっていました。ナイロンやポリエステルを中心とした速乾性ハーフパンツは、汗をかいても肌離れが良く、濡れても短時間で乾くため、都市生活における実用着として圧倒的な快適性を提供します。
さらに、社会的な装いのカジュアル化と「都市型アウトドア(アーバンアウトドア)」スタイルの定着が、この流れを決定づけました。アパレル業界の販売動向調査においても、アウトドアウェアを日常着として取り入れる消費者の割合は年々増加傾向を示しています。1着でランニング、サウナ、水遊び、街歩き、部屋着まで完結する汎用性は、モノを増やしたくないミニマリスト層や、休日に子どもと公園や水場へ出かける子育て世代のニーズと完全に合致しています。