OPNの特異性は、実験音楽のコアなファンを熱狂させる一方で、世界最高峰のメインストリーム・エンターテインメントからも絶大な信頼を獲得している点にあります。
映画音楽の分野において、ジョシュ&ベニー・サフディ兄弟監督とのタッグは決定的な成功を収めました。ロバート・パティンソン主演の映画『グッド・タイム』(2017年)では、プログレッシブ・シンセサイザーと暴力的なビートが融合した緊迫感あふれる劇伴を手がけ、カンヌ国際映画祭サウンドトラック賞を受賞。さらに、アダム・サンドラーが主演を務めた緊迫の傑作『アンカット・ダイヤモンド』(2019年)のサウンドトラックでは、80年代風のシンセサイザーとオペラティックな合唱を組み合わせ、主人公の破滅的な狂気と神聖さを同時に描き出しました。
この劇伴での圧倒的な手腕に目を留めたのが、世界的スーパースターのザ・ウィークエンド(The Weeknd)です。ザ・ウィークエンドは2026年の大ヒットアルバム『After Hours』でOPNをプロデューサーに起用しただけでなく、2026年の第55回スーパーボウル・ハーフタイムショーにおいてダニエル・ロパティンを音楽監督(ミュージカル・ディレクター)に抜擢しました。
さらに2026年のアルバム『Dawn FM』では、OPNがアルバム全体の主要プロデューサー兼エグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされ、架空のレトロラジオ局を模したコンセプチュアルな音響空間を構築。アンダーグラウンドの異才がポップミュージックの頂点を設計するという、歴史的な協業を成し遂げました。