突然記憶を失う「解離性健忘」の真相|原因と症状・回復の兆候を解説

突然記憶を失う「解離性健忘」の真相|原因と症状・回復の兆候を解説

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解離性健忘の根本的な原因は、脳が処理しきれない激しいトラウマや過度なストレス反応です。人間の自律神経系は、生命の危機や強烈な心理的苦痛に直面した際、「闘争(たたかう)」または「逃走(にげる)」の反応を示します。しかし、児童虐待、激しい家庭内暴力(DV)、性被害、重大な交通事故、大規模災害、深刻な職場ハラスメントなど、「闘うことも逃げることもできない絶対的な極限状態」に追い込まれた場合、生体は第3の防衛反応である「凍結・解離(フリーズ・遮断)」を選択します。

精神医学的な解釈において、解離とは「意識・記憶・同一性・感情の統合が一時的に崩壊する現象」です。耐え難い苦痛を意識から切り離すことで、精神の完全な崩壊(自己の破滅)を食い止める緊急避難的なスイッチオフ装置として健忘が発生します。

精神医療の標準的な診断基準(DSM-5-TRやICD-11)において、精神科医は以下の要件を厳密に精査した上で診断を確定します。

  • トラウマ的・強いストレスを伴う性質を持つ重要な個人情報が想起不能であり、通常の物忘れでは説明できないこと。
  • 物質の直接的な生理的作用(アルコール多飲・急性中毒・睡眠薬等の影響)によるものではないこと。
  • 頭部外傷、脳炎、一過性全健忘(TGA)、てんかん発作などの身体的・神経学的疾患が除外されていること。
  • その健忘によって、社会的、職業的、または他の重要な領域において臨床的に有意な苦痛や機能不全が生じていること。
山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。