嫌儲とは何か?他人の金儲けを嫌う心理と発祥の歴史・現代Snsのリアル

嫌儲とは何か?他人の金儲けを嫌う心理と発祥の歴史・現代Snsのリアル

嫌儲とは何か?他人の金儲けを嫌う心理と発祥の歴史・現代Snsのリアルについての真相をご紹介します。

ネットで頻繁に見かける「嫌儲とは」一体どんな意味なのか。なぜ他人の金儲けを嫌うのか。その発祥となった5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の歴史やアフィリエイト問題、ステマ騒動の裏側を整理すると、ネットユーザーが抱いた強烈な裏切り感の歴史が浮き彫りになります。

発祥の原点は、2000年代後半から2010年代初頭にかけて急速に台頭した「アフィリエイト系まとめサイト(コピペブログ)」の存在にありました。当時の2ちゃんねるでは、名無しの投稿者たちが純粋なユーモアや専門知識を持ち寄り、独自のカルチャーを形成していました。ところが、一部のまとめサイト運営者が掲示板のレスを無断で抽出し、扇情的なタイトルをつけて自サイトに転載。莫大なページビューを稼ぎ、クリック報酬型広告やアフィリエイト広告で多額の収益を上げるビジネスモデルを構築したのです。

掲示板の参加者たちにとっては、「自分たちが無償で提供した言葉やネタが、汗もかかないまとめサイト管理者の不労所得に変換されている」という強烈な不公平感が生じました。さらに事態を悪化させたのが、アクセス数を稼ぐために書き込みを意図的に改ざんしたり、対立を煽る自作自演レスを投稿したりする「マッチポンプ的なまとめ運営」でした。こうして、金儲けのためにコミュニティの平穏を荒らす行為への反発が「嫌儲」というスローガンとして結晶化します。

この対立が決定打となったのが、2012年1月の「ステマ(ステルスマーケティング)騒動」です。当時、大手まとめサイトが特定の商品やゲームを宣伝する対価として金銭を受け取り、あたかも一般ユーザーが自発的に絶賛しているかのように見せかけていた疑惑が次々と暴露されました。これに激怒したユーザー層が団結し、大手まとめサイトへの反撃を展開。その受け皿として住民が集団移住したのが、2011年末に新設されていた「ニュース速報(嫌儲)板」、通称「嫌儲板」でした。

嫌儲板の住民たちは、まとめサイトによる転載を阻止するために「転載禁止」のローカルルールを厳格に運用し、違反したアフィリエイトブログに対して広告主への通報運動などを組織的に実行しました。単に「お金が嫌い」なのではなく、「騙し討ちのステマ」と「コンテンツの無断収奪」に対する徹底的な抗議行動だった事実が、当時のログやネット上の記録からも確認できます。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。