大戸屋の大阪店舗はなぜ少ない?激減の真相と梅田・難波の現在地

大戸屋の大阪店舗はなぜ少ない?激減の真相と梅田・難波の現在地

大戸屋の大阪店舗はなぜ少ない?激減の真相と梅田・難波の現在地の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

店舗数の少なさから、インターネット上ではしばしば「関西人は東京発祥の大戸屋を受け入れない」「関西の舌に合わないから撤退した」といった短絡的な地域対立論が語られがちです。しかし、この言説は外食産業のビジネスモデルの本質を見落としています。

実際のところ、現存するLINKS UMEDA店やなんばパークス店は、平日ランチタイムや土日祝日には長蛇の列を作っており、入店待ちが30分以上に及ぶことも珍しくありません。味付けやブランド自体が大阪人に嫌われているのではなく、問題は「客単価とオペレーションコストに対する不動産戦略の不一致」にありました。

大戸屋の強みである店内調理は、セントラルキッチンで一括加工された具材を温めて盛り付けるチェーンに比べ、広い厨房スペースと熟練した調理スタッフを必要とします。坪あたりの客席数が削られ、調理時間による回転率の上限が決まっている以上、大阪市内の激戦区路面店で生き残るには客単価を相当引き上げなければ採算が合いません。

「関西人の嗜好に合わない」のではなく、「店内手仕込みモデルのコスト構造が、大阪の安価な日常定食マーケットと噛み合わなかった」というのが経済合理性から見た真相です。商業施設テナントへの転換が進んだことで、無理な低価格競争に巻き込まれず、ブランド価値を理解する客層へ適正価格で届けるモデルが完成したと言えます。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。