受験生や保護者が進路選択の際、最も注目するのが「理学療法士の学校別合格率ランキング」です。パンフレットや公式サイトに「合格率100%達成!」「全国平均を大きく上回る実績」といった華々しい惹句が並ぶ光景はおなじみでしょう。しかし、このランキングの表面的な数字を鵜呑みにするのは危険です。
一部の養成校では、学校のブランド力と次年度の志願者数を維持するため、水面下で過酷な「スクリーニング(選別)」が行われている実態があります。取材班が確認した複数の現場証言によると、次のようなからくりが存在します。
国家試験の直前、11月から1月に実施される学内卒業試験の難易度を極端に吊り上げ、模試で合格安全圏に達していない学生を容赦なく「卒業留年」や「単位保留」にする手法です。国家試験の出願窓口は学校であるため、受かる見込みの薄い学生を本試験の場に立たせないことで、分母(受験者数)を圧縮し、分子(合格者数)の割合を人為的に跳ね上げるのです。
ある私立大学の卒業生はこう振り返ります。「4年生の秋、模試でボーダーすれすれだった同級生十数人が、卒業試験で一斉に落とされました。『お前たちのために追試はやらない。来年万全にして受けろ』と言われましたが、実質的には学校の合格率100%を守るための足切りでした」。
したがって、学校の実力を測る際は、単なる「受験者合格率」ではなく、「入学者数に対する4年(または3年)ストレート合格率」を見極めなければなりません。入学者が100人いて、最終的に試験を受けて受かったのが50人であれば、見かけの合格率が100%であっても実質的な通過率は50%に過ぎないからです。