宮舘涼太の俳優としての転換点を語る上で外せないのが、2026年1月期に放送されたフジテレビ系連続ドラマ『大奥』での松平定信役です。徳川吉宗の孫でありながら将軍になれなかった出自の葛藤、主人公・倫子(小芝風花)への執着、そして幕府転覆をも企てる冷徹な黒幕としての顔――幾重にも重なる陰影を帯びた難役でした。
放送開始当初、一部の視聴者からは「アイドルのキャスティング」として見られる向きもありました。しかし物語が中盤から終盤へ進むにつれ、定信が胸に秘めた孤独と狂気が露わになるシーンで、その評価は一変します。静かに目を細めるだけの視線の動き、微かに震える声のトーン、そして着物を翻す際の一切の乱れがない所作の美しさは、長年時代劇を支えてきた熟練の制作陣をも唸らせました。
SNS上でも「定信様の狂気じみた笑みに鳥肌が立った」「貴族的な品格があるからこそ、内面に潜む闇の深さが際立つ」といった熱狂的な投稿が相次ぎ、ドラマ放送日の深夜には「定信様」「宮舘涼太」がトレンド上位を独占。視聴者層の枠組みを大きく超えた支持を獲得しました。