歌舞伎界の名門・松嶋屋の家系図を振り返ると、片岡一門の層の厚さと歴史の重みが際立ちます。十三代目片岡仁左衛門さんのもと、長男の五代目片岡我當さん、次男の二代目片岡秀太郎さん、三男の十五代目片岡仁左衛門さんという「三兄弟」がそれぞれ異なる持ち味を発揮し、上方歌舞伎の屋台骨を支えてきました。
秀太郎さんの家族構成においては、実生活での家族とともに、弟子や一門の俳優たちを我が子のように慈しんだ点が特徴的です。血縁関係のみにとらわれず、才能ある若手を見出して門閥外から育てるという開かれた姿勢は、松嶋屋の大きな強みとなり、上方歌舞伎の活性化に決定的な役割を果たしました。