花の都公園が他の観光花園と決定的に一線を画すのは、すべての景観が世界文化遺産・富士山との対比の上に成り立っている点です。園内のベストアングルは、花畑の中央を走る遊歩道から北西方向を仰ぎ見る構図です。手前に広がる花びらの絨毯と、奥にそびえ立つ富士山の末広がりの裾野が一直線に結ばれ、圧倒的な遠近感を生み出します。
気象条件の見極めも欠かせません。山中湖エリアは標高が高いため、晴天の日であっても午前11時を過ぎると気温上昇に伴って雲が発生し、富士山頂が隠れてしまう現象が頻発します。「雲ひとつない富士山」を確実に捉えるためには、前夜の天気予報で湿度と風向きを確認し、朝一番の澄んだ空気の中でシャッターを切るのがプロの写真家たちの一致した撮影セオリーです。
緑と花が眠りにつく晩秋から真冬にかけては、公園の表情が一変します。例年11月下旬から翌年1月上旬にかけて開催される花の都公園イルミネーション(山中湖イルミネーションファンタジウム)は、澄み切った冷気の中で数十万球の光が灯る冬の風物詩です。日没後の極寒の中で富士山のシルエットとイルミネーションが共演し、週末には打ち上げ花火が冬空を彩る幻想的なイベントとして定着しています。
散策を満喫した後に欠かせないのが山中湖・花の都公園の周辺グルメ・ランチの開拓です。山梨ならではの郷土料理を味わうなら、公園から車で数分圏内に点在する名物「ほうとう」の老舗が筆頭候補となります。富士山の湧水で仕込んだ太打ちうどんとカボチャが溶け込んだ熱々の味噌仕立てスープは、高原散策で冷えた身体に染み渡ります。さらに、山中湖畔沿いにはテラス席で富士山を一望できるリゾートカフェや、本格的な信濃・甲州の手打ち蕎麦処も充実しており、旅の満足度を一層高めてくれます。