円周率の桁数を求める試みは、人類の文明の発展そのものです。古代エジプトやバビロニアでは「約3」や「3.125」「3.160」といった近似値が建築や天文学で用いられていました。
数学的な理論をもって初めて円周率の正確な範囲を絞り込んだのが、古代ギリシャのアルキメデスです。彼は円の内側と外側に「正96角形」を描き、円周が内接多角形より長く、外接多角形より短いことを利用して、円周率が「3と71分の10(約3.1408)」より大きく「3と7分の1(約3.1428)」より小さいことを見事に導き出しました。
5世紀の中国では、数学者の祖沖之(そ・ちゅうし)が正24576角形を用いて小数第7位(3.1415926…)まで正確に算出。この記録はその後約1000年間破られませんでした。近代に入ると、アイザック・ニュートンやゴットフリート・ライプニッツによる微積分学の発展、さらにはインドの天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンによる驚異的な収束速度を持つ計算公式の発見により、手計算から数式による無限級数を用いた計算へと進化を遂げました。