B.B.クィーンズは、結成20周年にあたる2011年に電撃的な再結成を果たしています。近藤房之助、坪倉唯子、宇徳敬子、そしてDIMENSIONの凄腕ギタリスト・増崎孝司の4名が再集結し、大型音楽特番『FNSうたの夏まつり』への出演や『SUMMER SONIC』への参戦を果たしました。
さらに異色だったのは、新進気鋭のロックバンド「神聖かまってちゃん」とのスプリットシングルを発売し、「B.B.かまってちゃん」として合同全国ツアーを敢行したことです。破天荒なロックバンドの爆音にも全く引けを取らない近藤の図太いブルースボイスと、坪倉の圧倒的なハイトーンシャウトは、当時リアルタイム世代ではない若い音楽ファンに大きな衝撃を与えました。
B.B.クィーンズは、音楽制作会社ビーイングの創業者である長戸大幸プロデューサーが仕掛けた「コミックソングの皮をかぶった超絶技巧バンド」でした。織田哲郎が作曲し、さくらももこが作詞を手がけた「おどるポンポコリン」は、リズムパターンやコード進行、ホーンアレンジに至るまで極めて高度なモータウン調のファンク・ポップスとして構築されています。彼らの音楽が30年以上経過した現在も風化せず愛され続ける理由は、土台にある卓越したミュージシャンシップにあります。
【プロの結論】昭和・平成・令和のヒットビジネスと職人アーティストの生存戦略
近年の音楽業界におけるファスト消費や「バズ」を目的とした刹那的な楽曲量産と比較したとき、B.B.クィーンズのメンバーたちが歩んできた道は、現代のクリエイターに重要な教訓を提示しています。
芸能界という巨大な虚飾のシステムに巻き込まれ、ミリオンセラーの重圧に晒されながらも、近藤や坪倉は決して自らのアイデンティティを見失いませんでした。ヒットの熱狂が去った後も、近藤は自らのルーツであるブルースに立ち返り、坪倉はスタジオミュージシャンとしての腕を磨き続けました。時代の波に翻弄されず、「技術」という替えの利かない資本を持ち続けた者だけが、50代・60代・70代になっても自律したアーティストとして生き残れるという明確な事実を彼らは証明しています。