「赤ちゃんの一人寝はいつから始められるのか」「ネントレはいつからが安全なのか」という疑問に対する小児睡眠医学の標準的な見解は、生後4ヶ月から生後6ヶ月頃のスタートが最も推奨されるというものです。この時期が最適とされる背景には、赤ちゃんの身体と脳の発達における明確な節目があります。
生まれたばかりの新生児期から生後2〜3ヶ月頃までは、昼夜の区別をつかさどる概日リズム(サーカディアンリズム)が未熟で、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの自前分泌も十分ではありません。さらに、胃の容量が小さく一度に多くの母乳やミルクを飲めないため、生理的欲求として頻繁に目を覚ます必要があります。
これに対し、生後4ヶ月を過ぎると体内時計が機能し始め、昼夜の明暗に応じた睡眠サイクルが形成されてきます。同時に、満腹中枢が発達して夜間の授乳間隔が自然と空くようになり、まとまった睡眠をとる身体的準備が整います。生後5ヶ月から生後6ヶ月にかけては、寝返りなどの運動機能とともに知性が発達し、「抱っこや授乳=眠るための必須条件」という強い条件反射(入眠関連の癖)が強固に定着する直前のタイミングにあたるため、新しい眠り方を最もスムーズに学習できる黄金期となります。