大手町の森はなぜ誕生した?千葉から丸ごと移植の工法と現在地

大手町の森はなぜ誕生した?千葉から丸ごと移植の工法と現在地

大手町の森はなぜ誕生した?千葉から丸ごと移植の工法と現在地とはどんな影響があるのか? 背景や要点を整理してお届けします。

大手町の森が生み出した生態系は、都市緑化の常識を根底から覆した。公益財団法人日本生態系協会が運営するハビタット評価認証制度「JHEP(Japan Habitat Evaluation and Certification Program)」において、最高ランクである「AAA」を取得。これは、かつて東京の武蔵野に広がっていた本来の生物多様性を都市空間で再現・向上させたことが科学的に証明された証拠である。

現地の植生管理報告によると、森の中には落葉樹と常緑樹が絶妙なバランスで配置され、季節ごとに異なる木漏れ日を地表に落とす。林床には落ち葉が堆積し、ミミズやトビムシといった土壌動物がそれを分解して肥沃な土を育む。その土壌生物を求めてシジュウカラやヒヨドリ、メジロなどの野鳥が飛来し、水辺にはシオカラトンボなどの昆虫が姿を見せる。

管理方針においても、化学農薬の散布は極力排除され、害虫が発生しても天敵による自然淘汰を待つという生物学的なバランス管理が貫かれている。コンクリートに囲まれた空間でありながら、外部の皇居外苑の広大な緑地と有機的につながる「生態系ネットワーク(エコロジカル・コリドー)」の重要な中継地点として、確実に機能している点が専門家からも高く評価されている。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。