店頭で対をなす存在が「ストレート果汁」だ。両者の違いは加工アプローチそのものにある。ストレート果汁は、搾汁した果汁を低温殺菌してそのまま容器に詰める。果実本来のみずみずしい香りや繊細な風味、微細な果肉感がそのまま残る反面、輸送や冷凍保管にコストがかかり、価格帯はどうしても高くなる。
一方、濃縮還元の製造工程は実にダイナミックだ。真空濃縮装置を使い、果汁に過度な熱を加えないよう減圧状態で水分を蒸散させる。その際、水分と一緒に揮発してしまう果実特有の香り成分を特殊な技術で回収し、還元時に再びブレンドする「アロマリカバリー(香り戻し)」と呼ばれる高度な処理が行われる。カゴメ株式会社やキリンビバレッジ株式会社といった国内屈指の飲料メーカー各社も、果実飲料の風味を損なわないよう独自のブレンド技術と調合ノウハウを磨き続けている。