食後血糖値の基準値は?健診「異常なし」に潜む落とし穴と数値の真実

食後血糖値の基準値は?健診「異常なし」に潜む落とし穴と数値の真実

食後血糖値の基準値は?健診「異常なし」に潜む落とし穴と数値の真実について押さえておきたい ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

なぜ、毎年の健康診断を真面目に受けている人が血管事故に見舞われてしまうのか。その答えは、健診の測定システムと人体の代謝機能のズレにあります。

インスリン分泌能力が衰え始めた初期段階では、夜間の絶食時間中に分泌される「基礎分泌」のインスリンによって、朝の空腹時血糖値は100mg/dL前後の正常値へと時間をかけて引き下げられます。また、過去1〜2ヶ月の血糖の平均値を示すヘモグロビンA1cの基準値についても、食後の急上昇が1日のうち数時間程度であれば、全体の平均値に埋もれてしまい、5.2〜5.5%といった「完璧な数値」として出力されてしまうのです。これこそが「隠れ糖尿病」と呼ばれる病態の罠です。

この状態の身体で何が起きているかというと、食後に血糖値が180mg/dLや200mg/dL近くまで急激に垂直跳ね上がり、数時間後に急降下する血糖値スパイクです。血中の過剰なブドウ糖は、血管の内側を覆う内皮細胞に取り込まれると大量の活性酸素を発生させます。この酸化ストレスによって血管壁が炎症を起こし、傷口を修復しようと集まったコレステロールなどがプラーク(コブ)を形成。結果として、健康診断上は「病気ではない」とされた人が、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞で倒れる事態を招きます。

さらに見過ごせないのが、食後血糖値が200mg/dL以上の危険性です。随時血糖値が200mg/dLを超えた場合、日本糖尿病学会の診断基準ではその1点のみで「糖尿病型」と判定されます。200mg/dLを超えた血液は粘調度を増し、腎臓の糸球体や目の網膜といった極細の毛細血管を直接破壊し始めます。尿中に糖が漏れ出す「尿糖排泄閾値(通常160〜180mg/dL)」をも突破している状態であり、全身の組織への実質的な障害が始まっていることを意味します。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。