開口端補正を求める問題は、大きく分けて「第1共鳴と第2共鳴の位置データから逆算するパターン」と「管の半径から幾何学的に見積もるパターン」の2つが存在します。実戦の入試や共通テストで圧倒的に出題頻度が高いのは前者です。閉管(一端が水面で閉じられた管)を例に、具体的な計算手順を解説します。
水面を徐々に下げていくと、最初に大きな音が鳴る位置(第1共鳴)が現れます。このときの水面から管口までの長さを$l_1$とします。さらに水面を下げると、次に大きな音が鳴る位置(第2共鳴)が現れ、この長さを$l_2$とします。定常波の波長を$\lambda$、開口端補正を$\Delta l$とおくと、閉管内部の定常波の条件から以下の2つの関係式が成立します。
【第1共鳴の式(基本振動)】
$l_1 + \Delta l = \frac{1}{4}\lambda$ ……(式1)
【第2共鳴の式(3倍振動)】
$l_2 + \Delta l = \frac{3}{4}\lambda$ ……(式2)
この2式から開口端補正$\Delta l$および波長$\lambda$を導き出すステップは以下の通りです。
ステップ1:波長$\lambda$の特定(差を取って$\Delta l$を消去)
(式2)から(式1)を辺々引くと、未知数である$\Delta l$が完全に相殺されます。
$(l_2 + \Delta l) - (l_1 + \Delta l) = \frac{3}{4}\lambda - \frac{1}{4}\lambda$
$l_2 - l_1 = \frac{1}{2}\lambda$
したがって、波長 $\lambda = 2(l_2 - l_1)$ が求まります。節から節(あるいは腹から腹)の間隔が「半波長($\frac{\lambda}{2}$)」に相当するという定常波の本質的な幾何構造を利用する形です。
ステップ2:開口端補正$\Delta l$の計算
求めた波長を(式1)に代入します。
$l_1 + \Delta l = \frac{1}{4} \times 2(l_2 - l_1) = \frac{1}{2}(l_2 - l_1)$
移項して整理すると、次の開口端補正の公式が得られます。
$\Delta l = \frac{l_2 - 3l_1}{2}$
このように、共鳴位置の実測値$l_1$と$l_2$さえ分かれば、開口端補正の値は連立方程式の処理だけで機械的に算出可能です。この基本手順を押さえておけば、未知の振動数を持つ音波の計算や、気温データと組み合わせた音速測定の問題にも柔軟に対処できます。