コナン『14番目の標的』小五郎が妻を撃った真実と犯人の動機を徹底解剖

コナン『14番目の標的』小五郎が妻を撃った真実と犯人の動機を徹底解剖

コナン『14番目の標的』小五郎が妻を撃った真実と犯人の動機を徹底解剖にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

本作最大の謎であり、物語全体の推進力となっているのが、10年前に起きた「村上丈による妃英理人質事件」です。当時、警視庁捜査一課の刑事だった毛利小五郎は、逃走を図る凶悪犯・村上丈が英理に刃物を突きつけて人質に取った際、迷わず拳銃を発砲して英理の脚を撃ち抜きました。この一件が警察内部で問題視され、小五郎は刑事を辞職して探偵事務所を開設、英理とも別居することになります。

娘の毛利蘭は「父は自分の手柄のために母を犠牲にしたのではないか」「刑事失格だったのではないか」という疑念とトラウマを長年抱えていました。しかし、終盤で暴かれた真実は正反対でした。小五郎が意図的に英理の脚をかすめるように撃った目的は、「人質を歩行困難にさせ、逃走する犯人にとってただの重荷(足手まとい)に変えることで、人質を解放させる」という、極めて合理的かつ瞬時の判断による人命救助の戦術だったのです。

この過去の事実が、クライマックスにおける「江戸川コナンによる毛利蘭への発砲」という形で完璧にリフレインします。ヘリポートで沢木公平に人質に取られた蘭を救うため、コナンは小五郎が残した拳銃を手に取り、かつて小五郎が英理に対して取った行動と寸分違わぬ決断を下しました。銃弾は蘭の脚をかすめ、沢木は蘭を抱えきれなくなって手を離します。父の真意をその身で理解した蘭の涙とともに、張り巡らされた伏線が見事に昇華する名シーンです。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。