デザイナーや愛好家の間で常に話題となるのが、「ドラえもんのタイトル文字はどの市販フォントを使っているのか?」という疑問です。結論から言えば、メインの「ドラえもん」という4文字は既存のフォントではなく、完全なオリジナルレタリング(描き起こし文字)です。
「ド」の濁点部分がウインクする目になっていたり、「え」や「も」の曲線がドラえもんの丸みを帯びたボディラインを連想させるなど、文字自体にキャラクターのアイデンティティが組み込まれています。また、ロゴの中央に配置される「鈴」や「四次元ポケット」を模したマークは、文字の重心を視覚的に安定させる機能美も兼ね備えています。
一方で、映画ごとの個性を示すサブタイトルのフォント特定に目を向けると、プロの現場ならではの選び抜かれた名作書体が並びます。
冒険活劇のダイナミズムを伝える場面では、フォントワークスの「ロダン」や「スーラ」、あるいは写研時代からの伝統を受け継ぐ「ゴナ」「ナール」系統の力強いモダンサンセリフが多用されてきました。近年のシリアスなSF展開や感動を前面に押し出す作品では、モリサワの「新ゴ」やダイナフォントの「DF綜藝体」をベースに細部をカスタムした文字が採用され、視認性の高さとドラマ性を両立させています。