1989年(昭和64年)1月7日、昭和天皇が崩御されたことで、良子さまは皇太后となられました。最愛の夫を失った喪失感は計り知れず、香淳皇后の晩年の様子は、認知機能の低下も進む中で、静かに思い出の詰まった吹上大宮御所で過ごされる日々となりました。
この晩年において、かつて不仲と報じられた美智子さま(当時・皇后)が、連日のように吹上大宮御所へ足を運び、献身的な見舞いとサポートを続けられた事実は広く知られています。美智子さまは香淳皇后の体調を常に気遣い、手を取り、穏やかに語りかけられました。もし二人の間に修復不可能な個人的憎悪が存在していたならば、このような温かな交流が長年にわたって続けられるはずがありません。
2000年(平成12年)6月16日、香淳皇后は老衰のため97歳で崩御されました。激動の20世紀を駆け抜け、最後は皇族方や側近たちに見守られながら穏やかに旅立たれたその姿は、日本が歩んだ苦難と再生の歴史そのものを象徴していました。