東洋の伝統的な人相学において、長くて溝の深い人中は古くから「長寿」「深い知慮」「豊かな晩年運」を象徴する吉相とされてきた。軽薄さを削ぎ落とした落ち着きや、周囲に安心感を与える包容力は、このフェイスラインのゆとりから生まれる。
一方、現代の美容医療の現場でも大きな地殻変動が起きている。日本美容外科学会に所属する熟練の医師たちからは、安易な人中短縮手術に対して警鐘が鳴らされるケースが増えた。傷跡のリスクや、上唇が不自然にめくれ上がって歯茎が露出するトラブルを避けるため、パーツを切り詰めるのではなく輪郭全体のバランスを整えるアプローチが主流になりつつある。人中を無理に縮めることのリスクが周知され、自然な骨格美へのリスペクトが急速に高まっているのだ。