新体制構築の鍵を握るオーディションにおいて、プロデューサーでもある酒井一圭が提示した選考基準は極めて独特だった。単に歌唱力や容姿が秀でているだけでは合格点に届かない。最重要視されたのは、泥臭い下積みやファンへの真摯な対応力、そして何よりも「人たらし」の資質だ。
全国の温浴施設をドサ回りした過酷な下積み時代を知る酒井だからこそ、泥にまみれても笑顔でステージに立ち続けられる強靭なメンタリティを求めた。厳しい選考をくぐり抜けた人材には、歌謡曲を愛し、老若男女に愛される素朴な人間性が深く刻み込まれている。