このフレーズの源流をたどると、漫画家・板垣恵介が描く金字塔的格闘漫画『グラップラー刃牙』に突き当たる。作中において「地上最強の生物」と恐れられる巨躯の格闘家、範馬勇次郎が放つ独特の圧迫感と、思わず目を疑うような面倒見の良さが同居する衝撃的な場面こそが、すべての発端だ。
常人離れした暴力性と哲学的とも言える独自の美学を持つ勇次郎が、目の前の者に対してご飯やごちそうを差し出しながら言い放つ姿は、読者に強烈な違和感と笑い、そして不可解な説得力を同時に与えた。少年漫画の歴史においても、これほどまでに一言で場を支配するキャラクターは類を見ない。