退任後の桝太一が研究拠点として選んだのは、京都に本部を構える同志社大学ハリス理化学研究所でした。同研究所において「専任研究所員(助教)」に着任し、自らの研究室でサイエンスコミュニケーション研究を本格的に立ち上げました。
研究テーマは多岐にわたります。テレビやウェブメディアにおける科学報道の言説分析、専門用語を一般層へ噛み砕く際の情報欠落リスクの測定、さらには教育現場における科学リテラシーの向上プログラム開発など、実践と理論を架橋する研究論文や学会発表をコンスタントに発表しています。大学内の講義では、現場取材の映像素材を教材に用いるなど、元局アナならではの講義スタイルが学生から高い支持を集めています。
一方で、学術界に完全に閉じこもることはせず、大手芸能事務所ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)とマネジメント契約を締結しました。研究職を本業に据えつつ、日曜夕方の『真相報道 バンキシャ!』の総合司会、そして長年ライフワークとして関わってきた『ザ!鉄腕!DASH!!』の海洋調査企画(DASH海岸など)への出演を継続しています。「現場の実践感覚を失った研究は形骸化する」という信念のもと、最前線の放送現場と研究室の往還を自らに課しています。