動画が世に放たれたのは2015年6月。父の日に合わせてトヨタ自動車がYouTube上に公開したオンライン動画『Loving Eyes -Toyota Safety Sense』は、瞬く間に国内外へ拡散しました。公開後わずか数日で数百万回再生を突破し、カンヌライオンズをはじめとする世界各国の権威ある広告賞を多数受賞。日本国内のみならず、欧米やアジア圏のメディアでも「日本の自動車メーカーが放った、美しくも切ない傑作ショートフィルム」として大々的に特集されました。
2026年の現在、SNS(旧Twitter等)では「TOYOTAが11年前に公開していたCM、3年前に子どもが生まれてから見たら過呼吸になるほど泣いた」「これを見て泣かない親は絶対にいない」といった投稿が数万件のリポストを集めるなど、親世代となった新たな層を取り込みながらバイラル現象を巻き起こしています。
なぜ、一企業の先進安全技術を伝えるプロモーション動画が、10年以上の歳月を経てもなお色褪せず、人々の感情を激しく揺さぶり続けるのでしょうか。その背景には、広告代理店・博報堂ケトルを中心とするクリエイティブチームが周到に計算した「人間心理の核心」に触れる映像設計がありました。