大学在学中の1985年、阿部は集英社の男性ファッション誌『MEN'S NON-NO』の創刊とともに、初代専属モデルとして鮮烈なデビューを飾る。189センチという当時としては規格外の長身と彫りの深い顔立ちで、瞬く間に若者のカリスマとなった。だが、その私生活は決して浮ついたものではなかった。
昼間はスタジオの強いストロボを浴び、夕方には大学に戻って実験レポートの作成に追われる日々。モデルとしての脚光と、学業の厳しさの間でバランスを取ることは容易ではなかったはずだ。派手なスポットライトから一歩引いたところで、黙々と学問に向き合い続けた経験は、彼に浮足立たない冷静な客観性と、自らを客観視するプロフェッショナリズムを植え付けた。