ネット上の掲示板やSNSで頻繁に話題となるのが「三菱重工には強固な学歴フィルターが存在するのではないか」という疑問です。就職四季報や各種就職データメディアの開示情報をもとに三菱重工採用大学ランキングを精査すると、東大、京大、東工大、阪大、東北大などの旧帝国大学系と、早稲田大学、慶應義塾大学、東京理科大学が上位を独占している事実が確認できます。
しかし、このデータを短絡的に「学歴フィルターによる足切り」と解釈するのは正確ではありません。関係者の証言や選考プロセスの構造から見えてくる三菱重工学歴フィルターの真相は、以下の3つの複合要因によって形成された「結果としての学歴偏重」です。
第1に、三菱重工技術系採用と大学院指定校の関係性です。同社の技術系社員の約8割以上が大学院修士課程修了者で占められています。最先端の原子力、ガスタービン燃焼技術、極超音速誘導弾などの防衛技術を扱う性質上、学部生レベルの基礎教養だけでは初期配属後の研究開発に追いつきません。結果として、高度な研究環境を持つ旧帝大・主要国立大・難関私大の理工系大学院からの採用比率が極端に高くなります。
第2に、適性検査(SPI・テストセンター等)の通過ラインの高さです。文系総合職を中心に膨大なエントリーが集まるため、Webテストのボーダーラインは推定で8割前後に設定されています。結果として難関大学在籍者が通過しやすくなるというスクリーニングの壁が存在します。
第3に、地方国立大学や高専(高等専門学校)専攻科からの手厚い採用枠です。芝浦工業大学などの四工大や、長崎大学、広島大学、室蘭工業大学といった三菱重工の主要製作所・工場が立地するエリアの国公立大学からは、毎年のように安定した採用実績があります。大学名だけで機械的に不合格とするような単純なフィルターではなく、「業務を遂行しうる専門知能と論理的思考力を担保できるか」が評価の本質となっています。