しかし、半導体業界内部からは慎重な声も聞こえてくる。競合するサムスン電子やSKハイニックス、あるいは米マイクロン・テクノロジーは、DRAMとNANDの双方を手がける総合力を活かし、HBM(高帯域幅メモリ)の利益を原資に巨大な次世代ファブ投資を継続している。対するキオクシアはNAND専業という構造的特徴を持つ。
キャピタルアロケーション(資本配分)の観点から見れば、自社株買いに資金を割くことは、将来のクリーンルーム建設や最新露光装置(EUV)の導入資金を削る諸刃の剣にもなり得る。「今、手元の現金を株主に返すことが、3年後の技術競争力において裏目に出ないか」という懸念は根強く存在する。次世代3D NANDの層数競争が300層、400層へと突入する中、技術開発投資とのバランス維持は薄氷を踏む思いの舵取りとなるだろう。